婚姻していない二人の子供について、法律上の親子関係を成立させる手続きが認知です。認知した子供は法律上、非嫡出子と呼ばれており、最近の最高裁判決で、婚姻中に妊娠して生まれた嫡出子と相続分に関して不公平に扱ってはならない、すなわち、非嫡出子も嫡出子と同じだけ相続できるということが認められました。

 今後、様々な場面において非嫡出子と嫡出子とを差別することは認められなくなるでしょう。嫡出子と非嫡出子との違いについては、他のブログ等で記載があると思いますので、今回は、認知する際に問題になるであろう「そもそも本当に俺の子か?」という話をしたいと思います。

 認知の方法は、「戸籍法の定める方法により届け出ることによってする」(民法781条)と定められており、任意に父親が認知することは当然可能です。あくまで話し合いですね。

 他方、父親が認知しない場合に、「子、その直系卑属又はこれらの法定代理人は、認知の訴えを提起することができる」(民法787条)と定められており、子どもや母親から父親へ認知請求をできます。ドラマなどでよく見る「あなたの子供です。認知してください。」と突然、交際相手から言われる場面ですね。

 この場合、どう進めるかといえば、認知の訴えができることとなってはいますが、法律上、まずは調停をしなさいということになっています。いきなり訴訟提起しても、ほとんどが裁判所によって調停に付されてしまいます(家事事件手続法244条257条1項2項)。その後、合意ができれば、裁判所が合意に相当する審判がなされます(家事事件手続法277条)。

 さて、法的手続きについては弁護士に任せていただくとして、一番重要な問題が「本当に自分の子供なのか・・・」ということです。
 調停期日に家庭裁判所で話をするにしても、ここが明らかでないと、調停成立などあり得ません。そこで、方法としてでてくるのが、DNA鑑定。

 DNA鑑定は費用が高く、精度を上げれば費用はどんどん高くなり50万円ということもありました。
 この費用をどちらが持つのか・・・・
 それは、請求する側が持つべきだと考えられますが、本当に自分の子供だったら失礼な話です。DNAが一致すればなおのことでしょう。費用負担でもめることも多く、「初めから折半」、「一致すれば父親側が全額支払う」等話し合っていくことになります。ここの話し合いで、双方が感情的にぶつかり合い、合意に至ることができなくなり、養育費の話し合いにまで影響が出ることも多くありました。このように、鑑定費用がネックになることがありました。

 最近、裁判所主導でDNA鑑定を行ってもらうこともあり、その際の費用が低額で済むことも多く(約8万5000円)、無用な感情的ぶつかり合いが減りました。
 これで、折半の話もしやすいですし、助かっています。