1 はじめに

 お子さんがいらっしゃるご夫婦が離婚を検討する際、目にする言葉に「養育費」と「婚姻費用」というものがあります。離婚調停が申立てられたときには、まず婚姻費用を支払えという請求が付随してくることも多いです。この2つは、似てはいるのですが、違う部分もあるのです。今回は、婚姻費用と養育費について解説したいと思います。

2 婚姻費用について

 婚姻費用とは、婚姻家族(夫婦とその間の未成熟子)の共同生活を維持するのに通常必要とする費用のことです。婚姻関係にはあるものの、別居をしている夫婦間においてよく問題となります。例えば、収入の少ない配偶者と未成熟子の衣食住の費用、医療費、娯楽費、交際費、子養育費・教育費が主に含まれます。収入の多い一方配偶者が、収入の少ない他方配偶者に対して、原則としてこれらの費用を支払わなければなりません。

3 養育費について

 養育費は、夫婦の離婚後、子を監護していない親から監護している親に対して支払うべき、未成熟子の養育にかかる費用(生活費、学費等)のことです。支払期間については、一般的には、未成熟子が成年に達するまでとされています(夫婦間の合意等がある場合には大学卒業までと定めることも可能です。)。

4 婚姻費用ないし養育費の算定の仕方

 調停や審判においては、東京家庭裁判所・大阪家庭裁判所の裁判所調査官が共同作成し、平成15年4月に発表した「算定表」に父母双方の年収をあてはめて、算出するという運用が実務上定着しています。算定表については裁判所のHPに掲載されています。

5 まとめ

 以上のように、婚姻費用と養育費は被る部分もあるのですが、婚姻中に発生するのか離婚後に発生するのかという違いと、費用の範囲に配偶者分の生活費が含まれるのか含まれないのかという違いがあります。

 また、両費用は、確かに上述した算定表に従って基本的には算出するのですが、個々の事案により、元となる収入自体や算出結果が争いになることは多々ありますので、専門家へ相談されることをお勧めします。

 当事務所には、婚姻費用・養育費を巡るトラブルを多数扱っている弁護士がおりますので、お気軽にご相談下さい。 当事務所の横浜支部は、横浜駅きた東口Aから徒歩7分のところにあります。横浜支部までの道順が分からない場合ご案内致しますので、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。 

弁護士 森 惇一