1 はじめに

 離婚を考えている人、あるいは夫(妻)の浮気を疑っているが決定的な証拠まではおさえていない人で、「探偵会社を使って証拠をおさえよう!」と思っている人は少なくないと思います。

 最近は、インターネットの普及により、携帯やスマホに、”浮気と疑わしき会話”が残っているケースも増えました。

 そのようなケースの中には、まれに、その会話が”決定的証拠”となり、探偵会社に依頼せずに訴訟に踏み切れるケースもあります。

 しかし、現実には、”限りなく黒に近いグレー”と言えたとしても、決定的証拠とまでは言えないものがほとんどです。

 卑猥な会話が残っていたとしても、それだけで”肉体関係あり!”と評価するには、あまりにも論理の飛躍があります。

 そうすると、やっぱり探偵を使って決定的な証拠を握ってほしい。

 しかし、なかなか、どこの探偵会社にお願いしたらよいか分からない、という人が多いのではないでしょうか?

2 どこの探偵会社がいいの?

 実は、探偵会社の選び方は非常に難しいのです。

 まず、”大手である”ということが信頼の基準になりません。

 逆に大手だから危ない、とも言えそうです。

 探偵業界は、すさまじい広告合戦です。弁護士業界の比ではありません。月間で数千万円の宣伝広告費を使い、そのコストが全て依頼者に請求する調査費用に乗っかってきます。

 考えてみれば、探偵業界には、一社も上場企業ってありませんでしたね。
 東証一部、二部はもとより、マザーズ上場も皆無です。今の探偵業界に、売上・利益基準はともかく、会社経営の健全性という観点から上場基準を満たす会社はないと思います。

 では、テレビで紹介されている探偵会社は安心できるのでしょうか?

 これも残念ながら、Noです。
 逆に、テレビで紹介されているほうが個人的には怪しいと思いますね。信頼感が低い業界だからこそ、積極的にテレビを活用するという実態もあると思います。
 会社のHPなどで、テレビで紹介されたことを積極的にアピールしている探偵会社は、私だったら使いませんね。

 では、ことさらに、顧問弁護士がいることをHP上でアピールし、その顧問弁護士の写真や経歴まで紹介している探偵会社は信頼できるかというと、これもペケ。
 というか、普通、顧問弁護士を置いている会社が自社のHP上で顧問弁護士の存在をアピールするなんてありません。
 やっぱり、テレビの活用と同じで、「うちは、顧問弁護士がいるから安心ですよ!」とアピールしているだけだと思います。

 では、どうすれば良い探偵会社か悪徳業者かを見分けることができるのか?

 そうなんです。実は、目に見える部分では、見分けることができないんです。

 唯一方法があるとすれば、実際に足を運んで相談に行って、即決せずに保留して帰ってくる。

 なかなか帰してくれないようであれば、もう論外。カモにされるのは目に見えていると思います。

 その場で決めたいと思っても、あえて決めない…。顧客の側にも、そんなしたたかさが必要だと思います。