さて、前回の続きとして、今回は調停や訴訟の時に離婚相手との接触を抑える方法について触れようと思います。

 まず、最初は申立て時です。申し立ての書面には、当事者の情報を記載する必要がありますが、その中には住所も含まれます。住所を明らかにすることに抵抗を感じる場合には、住所を秘匿とする理由を書面内で記載し、別紙に秘匿項目を書き出すこととなります。

 もっとも、連絡の都合上、裁判所にはきちんと今現在の住所を伝えなければならず、そのうえで秘匿を認めるか否か(債務名義上の分も含めてです。)は裁判官の判断によるようです。DVなどの事情があるときには、裁判官も秘匿を認めてくれるでしょう。

 申立て書面における住所については、完全に「秘匿」と記載するほか、住民票を移していない場合には住民票上の住所を記載することもあります。代理人を立てたときは、代理人の事務所住所を記載する例もあるようです。これらの方法を認めてくれるかは、上記のとおり裁判官の判断です。

 次は、裁判所への出頭時に、相手方と顔を合わせないようにすることです。調停の場合には、申立て書面などで事前に相手方と顔を合わせたくない正当な理由を伝えている場合には、出頭時刻をずらしたり、待合室を別の階に変えたり、第1回の手続き説明や成立時の条項確認を別々に行なったりと、裁判所も配慮をしてくれます。裁判所から帰る際には注意が必要ですが、書記官が気を利かせて駐車場や門のところまでついてきてくれることもあるようです。

 (昔、とある離婚調停案件で、相手方本人から、こちらの依頼者につき毎回、「本当に先に帰ったか、外までついて行って確認しておいてほしい。」と求められたことがありました。その時は、書記官と二人で駐車場まで行って依頼者を見送り、「これも我々の仕事のうちなんですかねえ。」などとぼやいた記憶があります。)

 訴訟の場合には、期日に誰も出向かないというわけにいかないので、自身でやるなら相手方と法廷で顔を合わせることが避けられません。それを避けるには、きちんと代理人を立て、代わりに出廷してもらうことが必要です。