前回、国際離婚のことについて触れました。今回は、その続きのようなものです。
(前回の記事はこちら:外国に住む相手との離婚訴訟の負担)
外国に住む相手との裁判では、書面の送達にひどく時間がかかることがあるというのは前回述べましたが、その他、書面一式を送達先の公用語に翻訳したものを添付することも求められます。これもまた、国際的な訴訟につきものの一手間ということになります。
翻訳書面については、翻訳内容が正確であることに加え、翻訳者が正確な翻訳を行なった旨を記載して署名押印することも必要なようです。
翻訳については、業者へ依頼したり、個人的な伝手などで語学力と実務経験を兼ね備えた人に依頼したり、何か方法を考える必要があります。また、自分でやるのでなければ、普通は報酬や謝礼金が必要となります。日本国内で完結する離婚訴訟に比べ、やはり何かと手間暇費用が掛かりますが、それは覚悟しなければならないでしょう。
翻訳すべき言語が英語のように使用者が多ければ、まだ業者その他は見つかりやすいかもしれませんが、そうでない場合には翻訳者を探すだけで一苦労となるかもしれません。
まあ、日本人同士にしろ、外国人とにしろ、結婚はいいことだと思います。また、結婚をするかどうかを決める際、離婚時の手間まで考慮に含めるのは、ともかく馬鹿げたことだと思います。
一方、世の中離婚のやむなきに至る夫婦が一定数いることは現実で、国際離婚については何かと一手間がついて回るのも現実でしょう。「別れる際には、何かと負担が生じる」ことは一応心の片隅に置いておき、いざ離婚となった場合にはその面倒に対し腹を括る気構えを持つべきでしょう。