皆様、こんにちは。

1 イントロ

 家事事件のうち、婚姻中の夫婦が別居してしまった場合、どちらがお子さんの面倒を見る立場になるか(この立場を「監護者」といいます。)を決める必要が出てきます。

 監護者の指定は家庭裁判所の調停で決めることができますが、調停で当事者が合意できなければ審判官(裁判官を指します)に決めてもらうしかありません。

 もっとも、裁判官は大変忙しいので、一つ一つの事件を隅から隅まで見る余裕がありません。そこで、当法人の他の弁護士がブログ記事で紹介させていただいているように、家庭裁判所に所属する調査官が裁判官のいわば手足となって監護の状況調査することになります。

2 調査官の関与

 (1) 調査官はお子さんの面会交流や上記でご紹介した監護者を決める事件では調停に出席することがあります。本来的には出席は必須ではないのですが、今後、調査を行う必要があるか否かを見極めるために同席することが多いそうです。

 実際、調停は主に男女1人ずつ調停委員が司会進行役として話しますが、調査官もここぞという時には意見(あくまで参考意見と位置づけられています。)を述べたり、中には当事者の説得に近い内容の発言をすることもあります。

 調停に出席した調査官は、その調停期日の報告書を作成しなければならないことになっており、審判官(裁判官)に提出します。したがって、顔色をうかがうという程ではありませんが、調査官へのアピールを意識してよいのかもしれません。

 (2) 調査官がその力量を振るうのは、上記1にも記載しました審判手続に移行した時かと思います。審判では、裁判と同じように当事者双方が主張をまとめた書面を提出したり、証拠を提出したりしますが、調査官が各当事者と個別面接を行って詳しく事情を聴取し、必要に応じて家庭訪問などを行って、詳細な報告書を作成します。

 例えば、お子さんとの面会の事件では、父親・母親それぞれと面接しますし、お子さんとも面会して意向を確認します。可能であれば裁判所でお試しの面会交流(試行的面会交流ということがあります。)を行い、その時のお子さんの様子を観察して、今後面会をさせることに問題がないか見極めていきます。

 当事者は裁判所から報告書が完成したとの連絡をもらった後、謄写の手続をしてはじめて読むことができます。報告書の内容は調査官それぞれですが、記載からお子さんの表情や仕草などを詳細に観察されていることがわかります。

 監護者を決める事件でも、お子さんと一方の親との交流が遠ざかっていると、何度か練習のように面会を行わせた上で、面会の様子を観察するという段取りを組むこともありました。お子さんと一緒にいる親としては、裁判所の指示ですので従わざるを得ないのですが、てきぱきと段取りを組んでいかないと調査官から「どうですか?まだですか?」と詰められてしまいますので、なかなかに骨の折れる場面ではないかと思います。

3 調査官との接し方

 審判官(裁判官)とは違い、判断権者ではありませんので、こうしてください、ああしてください等と詰め寄るのはNGだと思います。ただ、お子さんの様子や監護のことにかかわる報告は非常に強い関心を持っていますし、審判官に報告してくれることもあるので、必要に応じてまめに連絡をとる(少なくとも裁判所からの連絡には速やかに対応できる)姿勢で臨む方がよいと思います。

 親御さんご本人は、お子さんのことを思うといきおい必死になって、色々と話しすぎて要点がぼやけてしまったり、うんざりされてしまうことがあるかもしれません。そこは代理人に報告の仕方、ひいてはアピールの仕方を考えてもらって、裁判所の橋渡し役として機能するように使ってもらうのがいいのかと思います。

 本日もお付き合いいただきましてありがとうございました。