前回は、時間に余裕のある別居前の時点で、離婚に際しどのような要求を相手に行うかなど、余計な対立を招かないための綿密な条件整理を行うことが重要ではないかと思われるということを述べました。
(前回の記事はこちら:別居から離婚2)
今回は、弁護士への依頼について触れてみようと思います。
弁護士へ依頼することを考えているのであれば、早い方がよいと思われます。一般的には、依頼者の方が弁護士に依頼するのは紛争や対立が自分たちの手に負えないくらいもつれてからという場合が多いですが、対立が深刻とならないうちに弁護士に依頼した方がスムーズな離婚実現に寄与するだろうと思われます。
なかなか、弁護士は気軽に用いることができないという意識は強いのでしょう。そのためか、深刻な対立に直面するまでは自分一人の力でやってみるというパターンが多いです。
自分一人の力でやってみて、必ず失敗するとは限りません。成功すれば、万々歳です。ただ、離婚を目指し別居を行うということ自体にどうしても相手を拒否する、つまり「ケンカを売る」面がある以上、話がこじれ紛争として激化する可能性はあります。そうなってから弁護士を間に立てても、ろくな話し合いができないかもしれません。
弁護士の報酬に関する一般的な傾向として、調停や裁判を依頼するよりも任意交渉に留めたほうが安く上がる場合が多いようです。当事務所はそうです。
コストを抑えて弁護士を用いる場合、任意での話し合いで離婚という目的を達成できるようにすることが重要となります。そのためには、相手方との関係を下手にこじらせる前、こちらが具体的なアクションを起こす前段階から弁護士に依頼し、弁護士と歩調を合わせつつ段階を進めていくのが効果的ではないかと思われます。
コストの点からは、
① 自力で最後までやりきる
② 弁護士を間に立てて任意での話し合いで決着する
③ 弁護士に依頼して調停や訴訟を行う
の順番で効率的と言えます。③は最終手段とも言えますから、まずは①でやり切れるか、それとも②で決着できる可能性が高いうちに弁護士に依頼するかを判断すべきでしょう。
また、早々に②を目指すこととして弁護士に依頼しても、それだけで絶対に弁護士が話し合いでの離婚を獲得してくれるとは限りません。交渉が成功する確率を上げるための対策は必要と思われます。
次回は、これらについてもう少し詳しく触れてみようと思います。