以前何回かブログで書いた続きで、調停の流れに触れようと思います。
 今回は、調停の終了についてです。

 調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決と同一の効力を有することとなります(家事審判法21条1項)。また、家事審判法9条1項乙類に掲げる、いわゆる乙類審判事項については、 確定した審判と同一の効力を有することとなります(同項但書)。

 なお、当事者間に合意が成立したとしても、

① 合意の内容が不明瞭
② 合意の内容が違法
③ 合意の内容が著しく妥当性を欠く

などの場合には、調停の成立として認められない可能性があります。

 一方、当事者間に合意が成立する見込みがない場合や、成立した合意が相当ではないと認める場合には、調停は不成立となります(家事審判規則138条の2)。調停はつまるところ話し合いですので、合意に至る見込みがなくなれば手続きをいつまでも続ける意味がなくなりますから、終了させることとなります。

 「当事者間に合意が成立する見込みがない」場合としては、当事者間の条件の隔たりを埋めることができず話し合いがつかない場合や、当事者の一方が調停期日にまるで出頭してこない場合などが考えられます。

 調停が不成立となると、調停にかかる事件が乙類審判事項であるならば、当然に審判へ移行します(家事審判法26条1項)。

 離婚等の訴訟事項については、調停不成立で当然に訴訟へと移行するわけではなく、別途訴訟の提起が必要となります。なお、調停不成立から2週間以内に訴訟を提起すれば、家事調停申立時に訴えを提起したものとみなされます(同項但書)。

 調停の終了としては、成立と不成立の他に、調停申立ての取り下げ、合意に相当する審判への移行(家事審判法23条)、調停に代わる審判への移行(家事審判法24条)、調停申立ての却下、調停の当然終了(当事者の死亡など)等が考えられます。