最近のことですが、依頼者の離婚調停に同席したら、相手が無断欠席をしたということがありました。しかも、その相手から申し立てた調停であるにもかかわらず…
以前にもご紹介しましたが、調停は本人出頭主義がとられているので、当事者が欠席した場合、出頭の手段が確保されていてもおかしくなさそうです。
しかし、家事審判法には、
「家庭裁判所又は調停委員会の呼出を受けた事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、これを5万円以下の過料にする。」(家事審判法27条)
と規定されているだけで他に出頭を確保するための手段は定められていないようです。
正直、これは実効性のある手段のように思えません。そのため、実際には、家庭裁判所では、家事調査官が、出頭しない当事者がなぜ出頭しないのかを調査して、出頭しやすい状況を作り出して当事者に出頭を促しているようです。
それでも、出頭しない場合には、調停を不成立として終結することになってしまうようです。そうすると、離婚調停では、裁判を起こして解決することになります。しかし、裁判になるとどうしても解決までに時間がかかるので、調停で終わらせたいところです。自分が担当している事件でも、次回欠席したら、家事調査官から相手に出頭を促してもらうと思います。
弁護士 竹若暢彦