先日、家事事件手続法が衆議院で可決され、成立しました(平成23年5月19日成立)。

 これまで、離婚調停等について定めていた家事審判法は、家事事件手続法の成立に伴い廃止されることになりました。

 家事事件手続法が新しく制定された理由は、家事事件の手続を国民にとって利用しやすくするという点にあるようです。

 利用のしやすさという点で新しく創設された制度としては、調停でも電話会議システムとテレビ会議システムの利用が可能になったことがあげられます。

 例えば、今まで妻の実家がある広島に住んでいた夫が、別居するため自分の実家のある札幌に帰ったとします。この場合、妻が調停を起こした場合、管轄は夫が居住している札幌家庭裁判所になり、夫が調停を起こした場合、管轄は広島家庭裁判所になります。

 これまでの家事審判法では、基本的には当事者が出頭しなければなりませんでしたので、いずれが調停を起こした場合でも、調停を起こした方が高い交通費を出して裁判所まで出頭しなければなりませんでした。

 しかし、電話会議システムやテレビ会議システムを利用できれば、わざわざ札幌や広島まで行かなくても調停を利用することができ、より調停を利用しての離婚が可能となりそうです。

まだ、情報が少ないのですが、家事事件手続法は他にも便利な制度がありそうなので、分かり次第、ブログでご紹介できればと思います。

弁護士 竹若暢彦