こんにちは。
 今日も監護者指定に関する話をしようと思います。

 監護者指定の審判の手続きにおいては、たいてい、調査官の調査がなされます。調査官とは、裁判官の調査命令に基づいて、親子の関係や家庭環境を調査する人です。法律面の専門家ではなく、子どもの教育学や心理学の側面から、調査を行います。調査官は、たいてい、親と面接して事情を聴きとり、双方の親の家庭訪問を行う方法によって調査します。

 監護者指定の審判手続きにおいては、この調査官の調査結果が、結論に大きく影響を及ぼします。ですから、調査官には、調査していただきたい事項をきちんと把握してもらい、見るべきものを見てもらう必要があります。そこで、事件の当事者が、調査官に対して、事実関係を伝えなければなりません。

 調査官が知りたいことには、基本的に定型的に決まっているものもあります。親の生活歴(学歴、職歴、病歴等)、現在の職業、平日及び休日のスケジュール、健康状態、同居家族、住居の間取り、収入などです。

 そして子の監護養育状況を根ほり葉ほり聞かれます。子どもの養育はどちらがどのようにしていたか、食事の担当、風呂の担当、そしてその担当していた養育において、どのような行為をしていたか、例えば、食事作りで子どもが喜んで食べるようにどういうものを作ったとか、その時の子どもの反応は、などです。また、夫婦仲が悪くなるまでの具体的な出来事、どちらが何を言ったか、その時子どもはどうしていたか、子どもの発言は、などを聞かれることもあります。細かいと思うかもしれませんが、子どもに影響を及ぼす事情はいろいろあるので、できるだけ具体的な話を聞き取りたいのだと思います。

 今までのことだけでなく、これからの監護養育の予定も具体的に述べなくてはなりません。仕事を持っている人であれば、現実的に、いつだれが子どもを養育するのかを、具体的なスケジュールを示して説明したほうがよいです。

 調査官の調査を受けて、毎回思うのですが、調査官は当事者から話を聞き出すのがうまいです。当事者自身も調査を受けるまで忘れかけていた重大なことを、引き出してくれることもあります。ただ、せっかく調査官に調査をしてもらうのですから、当事者としては、思い出したくないこともできるだけ思い出して、より具体的な話をすることができるようにして調査に臨んだ方がよいでしょう。