以前、離婚訴訟を提起する場合には、先に調停を経ておく必要がある旨を記載しました。それに関連付けて、調停の流れにつき、大まかに触れていこうと考えます。今回は、調停の申立てです。
夫婦間の任意での話し合いで協議が調わない場合、または任意での協議自体ができない場合は、調停を申し立てることとなります。調停は、夫婦関係を解消する場合(夫婦関係解消)のみでなく、夫婦関係を良好なものに戻す場合(夫婦関係円満調整)にも申立ができます。これらを合わせて、「夫婦関係調整調停」と呼びます。
調停申立書には、以下の事項を必要に応じて記載します。
① 同居及び別居の時期、子どもの有無や生年月日等、当事者に関する事項
② 離婚原因
③ 親権に関する事項
④ 養育費に関する事項
⑤ 財産分与に関する事項
⑥ 慰謝料に関する事項
⑦ その他必要と思われる事項
調停申立書には、以下の書類等を添付することとなります。
① 申立費用分の収入印紙
調停の申立費用は1200円です。
② 予納郵券
予納額、郵券の種類は裁判所ごとに定めがあるので、照会が必要です。
③ 申立人と相手方の戸籍謄本 1通
その他、分与財産に不動産を含むなら「不動産登記事項証明書」や「固定資産評価証明書」、年金分割を請求するなら「年金分割のための情報通知書」、夫婦の一方が外国籍なら「外国人登録原票記載事項証明書」や「婚姻証明書」、「未成年子の出生証明書」、代理人を立てるなら「委任状」などが、添付書類として考えられます。
夫婦関係調整調停の管轄は、相手方の住所地または当事者が合意で定める家庭裁判所ですので、そこに調停を申立てます。