こんにちは。春らしくなってきましたね。地震で暗くなりがちな気分も少し明るくなってほしいものです。

 さて、本日も、親権者・監護者指定に関する話題です。

 親権者や監護者の指定が問題となっている場合において、調査官や裁判官が、「仮にあなたが親権者(監護者)になったら、子どもと相手方の面接交渉をどのようにするつもりですか?」と尋ねることがあります。親権者や監護者指定で争っている場面では、子ども確保したさに、相手方と子どもを絶対に会わせたくないという気持ちになることが多いのではないかと思います。しかし、「子どもと相手方の面接交渉を認めるつもりはありません。」と正直に言ってしまってよいのでしょうか。

 実は、このような発言は、控えたほうがよいです。

 裁判例では、相手方と子供の面接交渉に柔軟に対応する意思を示していることを、親権者(監護者)の指定の一要素としています(東京高裁平成15年1月20日決定等)。

 これは、別居している親の存在を知り別居親との良好な関係を形成できることは、子の人格形成にとって、同居親との関係に劣らず重要だと考えられるからです。

 したがって、子どもと相手方との面接交渉をかたくなに拒否しているような親は、親権者(監護者)として不適格だと裁判官に判断されかねません。

 ただ、相手方が子どもを虐待するとか、相手方が面接交渉を利用して子どもを連れ去ってしまう危険性が高いなどの事情があれば、面接交渉を認めることはむしろ子どもにとって害悪となる恐れがありますので、面接交渉を拒否しても、それだけでは不利な判断はされないと考えられます。

 単に親同士がいがみ合っているというだけで、子どもに面接交渉をさせないというのでは、親の都合で、子どもを振り回していることになるから、子どもの福祉に反するというのが裁判所の考え方です。

 もしあなたが親権者や監護者の争いにおいて有利になりたいというのであれば、本心がどうであれ、面接交渉を積極的に認めるという姿勢をアピールしたほうが良いです。