1.離婚で請求できるお金

 離婚となった場合に、相手方に請求しうる金銭としては、大きく、財産分与、慰謝料、養育費が挙げられます。
 まず、財産分与は、離婚した相手に対して主として婚姻中に夫婦が協力して築いた財産の清算がなされるものです。財産分与のと対象となる財産は、基本的には名義の如何を問わず、夫婦が協力して得た財産について対象となります。
 相続でどちらかが取得した財産や婚姻以前から有していた財産(特有財産といいます。)は対象となりません。分与対象となる財産は別居時点の財産を対象に考えるのが一般的です。

 次に、慰謝料についてです。離婚によって生じる慰謝料とは、他方配偶者が有責な(たとえば不貞行為や暴力に起因する)離婚によって生じた精神的苦痛を慰謝するために支払われる損害賠償金を指します。
 離婚原因となった個別の有責行為(不貞行為、暴力など)によって生じた精神的苦痛に対するものと、離婚により配偶者の地位を失うこと自体から生じた精神的苦痛に対するものとがあります。
 また、直接相手方から金銭を取得するものではありませんが、年金分割の制度もございますので積極的に活用すべきです。

2.離婚後に貰えるお金

 離婚後に、母子家庭になった場合には、児童扶養手当等の福祉関係の手当てが挙げられます。また自治体よっては、母子家庭の住宅手当などが支給されることもあります。
 乳幼児や義務教育就学児童がいる場合には、医療助成制度などもあります。各自治体に確認してみましょう。

3.子供の養育費はどうする?

 養育費は、親の子に対する扶養義務を根拠とするものです。養育費の金額は、主に子の年齢やその人数、夫婦の収入等を基準にして算定されます。
 養育費の終期は、未成熟子(成人年齢に達しているかいないかに関係なく、まだ経済的に自立できていない子を意味します。)が満18歳、満20歳、満22歳に達するまで(大学等卒業するまで)のうちのいずれかで決まることが多いです。

4.離婚成立までは別居する?婚姻費用とは

 裁判上の離婚が認められる場合は、民法に定められた離婚原因に該当することが必要となります。
 相当期間別居することは「婚姻を継続し難い重大な事由」として民法に定められた離婚原因となりえますので、相手方が離婚に同意していない状況で、不貞行為といった離婚原因となる事情もないのであれば、別居を検討するのは将来の離婚のためにも有益であると考えられます。

 婚姻費用とは、その家族が収入等に応じた社会生活を維持させるための費用です(とても簡単にいうと生活費に近いものです。)。
 婚姻関係にある間は、別居中であっても、権利者は原則的には婚姻費用を受け取ることが可能です。その金額は養育費と同様に夫婦の収入等を基準に算定されます。

5.弁護士に相談するならどのタイミング?

 離婚をスムーズに行い、また、条件を有利にするために必要な証拠の収集等の事前準備とそのアドバイスが必要になります。離婚することを決断したのであれば、できるだけ早く弁護士に相談することがよいでしょう。