1 事例
今回は大阪在住の自営業の方(Aさん)からの離婚相談でした。
Aさんのご相談は、妻(Bさん)が3ヶ月前に鹿児島の実家に帰ってしまい(別居)、先日、鹿児島家庭裁判所で離婚調停を申立てられたとのことでした。
Aさんとしては、離婚条件についてはもちろんのこと、自分は鹿児島の家庭裁判所まで毎回行かなければならないのか不安に思っている、とのことでした。
加えて、申立人は調停を鹿児島家庭裁判所で進めたいという上申をしており、鹿児島家庭裁判所から、それについての意見を求められています(自庁処理に関する意見照会書)が、どのように回答すればよいでしょうか、ということでした。
2 離婚調停の土地管轄(原則)
離婚調停の土地管轄は、家事事件手続法245条1項で「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所の管轄に属する」と規定されています。
これは、当事者の自主的紛争解決を趣旨とする調停を行うためには相手方の出頭を確保する必要があるから規定されたもので、相手方の生活の本拠地や両当事者が合意によって定めた裁判所で係属することができます。
もっとも、上記原則には以下の例外が存在します。