3 家庭裁判所によって面会交流の実現を後押しする制度がある

 もっとも、子どもに対する面会交流が自主的に実現しない場合には家庭裁判所によって面会交流の実現を後押しする制度もあります。具体的には、家庭裁判所に面会交流に関する家事調停又は家事審判を申立てることになります。なお、調停等で離婚が成立せず裁判になった場合には、離婚請求の附帯処分として面会交流の申立てをすることもできます。

 そして、非監護親が過去に子どもに対して暴力を振るったことがあったり、子どもを奪い去ってしまう危険があるような場合等例外的な事情がある場合を除いて、面会交渉はそれを実現するという方向で話し合いがなされることになります。
 これは以下のような面会交流の趣旨から明らかです。

 それは、面会交流は子が受ける離婚後のダメージをできるだけ少なくするためのものであるという点です。つまり、本来なら子は両親の手許で両親に見守られて育つべきであるにもかかわらず、子は、両親の離婚によって、一方の親から引き離されることになります。そのダメージをできるだけ軽減し、両親の離婚後も子は両親によって見守られているという実感を得ることが大切であり、面会交流はそれを実現するものであるという点です。