こんにちは。
今日は、これから自分で調停をしようと考えている方や、現在自分で調停を行っている方に、是非注意してほしいことを話します。
それは、調停は、一旦まとまると、その調停で決まった内容を変更することは難しい、ということです。
調停は、訴訟などとは異なり、再度同じテーマで調停をすることによって、一度調停で決まった条件を変更することができます。例えば、養育費の額を増減するなどです。
しかし、基本的に、調停で決まった条件を変更するには、事情の変更が必要です。例えば、元夫の収入が激減したとか、子どもが重病にかかって養育費が激増したなどです。
特に大きな事情の変更がなければ、どうして再度同じテーマで調停をするのか、本当に変更の必要があるのか、といった点を、きちんと調停委員に説明しなければなりません。
私が先日担当した事件に、面接交渉について「月2回、うち1回は宿泊付き」という調停をした後、やっぱりその条件での面接交渉の実行が難しいということで、妻から面接交渉の条件の変更を申し立てたものがあります。
「月2回、うち1回は宿泊付き」という面接交渉の条件は、訴訟や審判でよくあるパターンの「月1回、宿泊なし」と比較すれば、夫にかなり有利な条件です。また、面接交渉は、月1回でも、スケジュール調整等、当事者に
とっては結構負担が大きいものです。それにもかかわらず、調停委員は、「なぜ変更するのか。前回から半年程度しかたっていないのに、もう変更するのか。」と、しつこいくらいに聞いてきました。
調停委員は、基本的に、調停をまとめたがり、訴訟や審判の相場と異なっていても、まとめようとします。
このことを知らないと、調停の当事者は、調停委員に説得されて、「調停委員が言うなら、そんなものなのかな。」と思いこんで、結局、実行困難な面接交渉の条件で合意してしまったり、不当に低い養育費の額で合意してしまったり、といったことになりかねません。
これから自分で調停をしようと考えている方、現在自分で調停を行っている方、調停委員の「また調停すれば変えられるから。」とか、「このくらいで合意しないとまとまらないよ。」といった言葉には、要注意です。本当にそれでいいのか、慎重に判断してください。一度決まった条件を変更するのは簡単ではないですよ。