こんにちは。長谷川です。

 今日は、最近、なぜか立て続けに質問があった点について書いてみようと思います。

 それは、専業主婦に認められる財産分与の割合についてです。

 専業主婦の財産分与については、昔は、働いている夫に比べて夫婦財産に対する貢献度が低いものとして、分与割合を4割とか3割と評価する判例がよくあったようです。

 ただ、家事労働に対する社会的評価が上がるに従い、専業主婦であっても貢献度は夫と平等であると評価されるようになり、現在では原則として半分(5割)と評価されていると思います。

 私は現在のところ「兼業」主婦ですが、率直なところ、休日も所定労働時間もなく、決して完成することがない(1日完璧に家事労働を行ったとしても、翌日にはまた1から同じ作業を行わなければならないという点において、「完成」「区切り」といったものはないわけです)というだけでも、育児を含む家事労働は、会社で働くよりも大変な労働だと思っています。

 産休/育休中に、私は暫定的専業主婦でしたが、自分のペースで仕事ができず、休みも平日もない、無限の繰返し状態に、正直「早く復職して自分のペースで行動できる時間を持たないと、私が精神的にもたない」と感じましたし、「世の専業主婦は本当に偉い!」と心底思いました。

 従って、私としては、専業主婦と外で働く夫の財産分与割合が5分5分であるというのは当然だと思っています。

 実際、私が弁護士になってから手がけた離婚事件100以上の中で、「5対5」でなかったものは、1件だけでした。

 その1件についても、会社経営者の夫でかなりの高額所得者(確か、年収で5000万円を超えていたと記憶しています)であり、夫婦財産形成にあたって、夫の才覚によるところが相当大きいという事案であった為、そういった主張を散々した挙げ句の「4対6」というものでした。

 従って、夫が一般サラリーマンのような場合、まず「5対5」以外の結論になることはないと考えておいた方が間違いないと思います。

弁護士 長谷川桃