芸能人・モデル・アーティスト・スポーツ選手などは、事務所やプロダクションに所属してプロモーションやマネージメントを任せ、活動することがよくあります。

 近年、このような芸能人等と事務所との契約トラブルが非常に多くなっています。
 事務所と個人との力関係を背景に、事務所に一方的に有利な契約書にサインをさせる、報酬関係のあいまいな契約書を結ぶ、芸能人側からの契約解除は認めないような契約内容にするなどの例は枚挙にいとまがありません。
 鈴木亜美さん、小倉優子さん、真鍋かをりさんなど著名な芸能人が裁判で争ったことで幅広く議論されたことも芸能契約について理解が深まるきっかけとなったのではないでしょうか。

 このような業界は、芸能人等の個人そのものが商品となるという特殊性のほかに、従来から「業界」独特の慣習で動いてきたこともあり、法的な整備や理解がまだまだ不十分であるという側面があります。

 私がこれまでご相談等で拝見した契約書等も、大半はどこかで拾ってきた契約書を切り貼りしたような稚拙なもので、活動の実態に即しておらず、不平等なものが多いように感じます。契約書の内容によっては、解約条項が存在しなくても契約の無効や解除を争う余地が十分にあると考えられるものも多いと思いますので、不平等な契約で苦しんでいる方は是非一度ご相談ください。

弁護士 井上真理