こんにちは。
 さて、今日は、いつもと少々毛色の違ったお話しをします。最近、何人かのアイドルが「卒業」したりしていますよね。よく「卒業」という表現を使いますが、法律的にお固く表現すると「契約の終了」という問題になると思われます。アイドルだって、活動をするにはいろいろな契約を結んでいますので、卒業するとなると、この契約関係を円満に終了させる必要があります。

1 芸能人の移籍後の活動を制約きるのか

 まったく芸能活動をしなくなるなら、それまでの契約を整理するということに集中すればよいのですが、その後も別の事務所などに所属して芸能活動を継続するとなると、次の所属事務所との関係性も考慮して、前の所属事務所との関係を整理する必要が生じることがあります。

 こうした事務所の移籍のケースでは、ときどき、前の事務所が移籍をしたがる芸能人に対して「うちの事務所との契約終了後●年間は、別の事務所に所属して芸能活動したり個人で芸能活動をしたりすることはできない」ということを約束させることがあります。当初のマネージメント契約のときにこのような条項を入れておくこともありますし、そのような趣旨は契約上不明確だったりすることもあります。

2 東京地方裁判所平成18年12月25日判決の例

 このような問題を扱ったケースとして、東京地方裁判所平成18年12月25日判決の事例があります。