オークションサイトと転売

 最近、インターネット通販がますます活況のようです。
 いつでも空き時間に買い物ができ、品物は配送してくれるので、便利なので私もよく利用しています。
 ここ数年は、ヤフオクに代表されるオークションサイトが特に話題になっています。
 そのようなオークションサイトを見ていると、自分がよそから買った物を出品している(=転売)と思われるものを、多々見かけます。
 そのような転売行為に、法的規制はあるのでしょうか。

転売に関する法的規制① ~古物商の許可~

 「古物」(使用済みの物品、使用するために取得したが未使用の物品等)を売買する営業をしようとする場合には、都道府県公安委員会の許可を受ける必要があります。そして、もし、この許可を受けずに古物営業を行った場合には、「三年以下の懲役又は百万円以下の罰金」が課せられる可能性があります(古物営業法3条1項、31条1号)。

 

転売に関する法的規制② ~転売目的でのチケット類の購入~ 

 転売目的でのチケット類の購入(仕入れ)は、多くの都道府県の迷惑防止条例で禁止され、罰則も設けられています。

転売に関する法的規制③ ~購入が詐欺罪に当たる可能性~

 品物の種類や、品物を購入したときの契約内容によっては、購入(仕入れ)が詐欺罪(刑法246条1項、10年以下の懲役)に当たる可能性があります。

 例えば、携帯電話を転売目的で購入するような行為が考えられます。携帯電話は、購入者自身が使用することを前提として販売されているものですので、転売目的での購入は、「購入する自分が使用します」という嘘をついていることになり、詐欺になってしまうのです。

転売についてまとめ

 以上は、刑事責任(犯罪として刑罰が科されるか)に絞った説明です。
 買主から売主への責任追及(説明と物品が違う、買った物が送られてこない、等)などの、民事責任は別途問題になります。

 転売は、自分にとって不要な物が他の人に有効活用されたり、お金に変えることができたりと、良いこともたくさんありますが、相応のリスクもある行為です。
 欲をかきすぎると上記のような法的規制に引っ掛かる可能性がありますので、あまり欲張らないように注意した方が良さそうです。