気づけばもう12月。早いものです。
先日、「放射能に汚染された木くずを河川敷に投棄した」という行為について、廃棄物処理法違反罪に問われ、有罪となったという判決がありました。
まだまだ、あちこちで放射能汚染の問題は尾を引いているのですね。
私も、中古車輸出業者さんから、放射能に汚染された車両の損害賠償請求手続きの依頼を受けています。中古車をオークションで入手して外国の業者に輸出しようとしたところ、外国の方が日本よりも放射能の基準が厳しく、輸出できなくなってしまったことによる損害の賠償請求です。

東京電力は、資料がそろっていれば、損害賠償はしてくれます。ただ、「輸出できなかった」ということで外国に転売したら得られるはずだった売買代金を必ずしも全額賠償してくれるとは限らないというのが現状です。もちろん、資料が不足している場合に全額賠償が難しいのはわかりますが、それ以外の理由でも賠償額について交渉を要する状態です。市場に出回っている車両を偶然購入してしまった者として、どの程度、何をするべきなのか疑問を感じることもあります。

このような手続きをしていて思うのは、偶然、思わぬ不具合がある物品を入手した場合、その入手者には何の落ち度もないのに、賠償金額について交渉が必要になるというのはなんだか納得いかないな、ということです。今回の放射能の問題は、あまりに大規模なものなので、賠償する側としてもひとつひとつを厳しく見ざるを得ないのは仕方ありませんが、他方で、これが1件だけの問題事例だったら、逆にある程度のところで交渉がまとまるのではないかとも思ってしまうのです(希望的観測ですが)。

なお、被災地域の方々は、仕方なく所有物を手放したのだろうと思います。上記は、あくまで賠償体制に対する感想ですので、他意はないことをご理解いただければと思います。