弁護士 日 向 祥 子

 

 

前回(2/2),平成7年4月14日判決を題材に,リース契約の倒産手続上の取扱いについてお話しました。前回のお話は,実は,リース契約において,リース業者がリース物件を使用させる義務と,ユーザーがリース料を支払う義務は対価関係になく,双方未履行双務契約に当たらない,リース物件がユーザーに引き渡された後は、リース業者はユーザーに対してリース料の支払債務と対価関係に立つ未履行債務を負担していない,という理解が前提になっています。

 

「双方未履行双務契約」とは,双務契約で,破産者・契約相手方の負っている債務のどちらもが破産開始時に履行されないまま残っている場合をいいます。

そして,このような双方未履行の双務契約は,破産法53条で,それ以外の契約と違う処理がされます。破産法531項は,「双方未履行の双務契約について,破産管財人は,契約を解除するか,あるいは破産財団として債務の履行を求めるかの選択権を有する」と定めています。すなわち,

 

①管財人が履行を選択した場合

→相手方の債権は財団債権として保護され(破産法14817号),破産財団から優先的に弁済されます

※管財人が履行を選択するには,裁判所の許可が必要です(破産法7829号)。

②管財人が解除を選択した場合

→相手方の損害賠償債権は破産債権となり(破産法541項),配当を受けることになります。

また、相手方の給付した現物が財団内に残っている場合には,その物自体の返還を求め,残っていない場合には,その価格について財団債権者となります(破産法542項)。

 

そして,契約の相手方には,破産管財人に対して,契約を解除するか履行するか確答するように求める催告権が与えられます(破産法53開催中の企業セミナー情報はこちら