こんにちは。本日は、ストーカー犯罪についてお話ししようと思います。

先日、三鷹で起きたストーカー殺人事件は、まだ記憶に新しいと思います。
ストーカー事件が起きるたび、よく、警察批判がなされますが、その際、ストーカー事件への対応の難しさを考える必要があると思います。

ストーカーというのは恋愛問題からの発展であることが多く、ストーカーという犯罪者扱いをする線引きが難しいと言えます。また、ストーカー犯の多くは、自分を正当化して他人の意見を聞き入れない傾向もあるので、警察による警告や説得が逆に刺激になってストーカー行為をエスカレートさせる危険もはらんでいます。
ストーカー規制法の整備によって、警察もストーカー犯に対する早めの対応がとりやすくなったとはいえますが、法律は万全ではありません。被害者が我慢しているうちに、すぐに傷害、殺人などに発展しえます。

実際、ストーカー規制法違反というレベルではなく、傷害や脅迫といった刑法犯で取り扱われるケースもよくあります。ストーカーであると言うためには男女の恋愛感情や目的が必要になりますが、傷害や脅迫といった犯罪で処罰するのなら、背景にある感情や目的は不明でもよいので、刑事事件の対象にしやすくなるのでしょう。もちろん、背景に、一方的な恋愛感情があるかどうかは、刑事手続きにおいて、情状の一つの要素となりますから、全く無視しても良いというわけではありませんが。

ストーカーの自覚がないのに、ストーカー扱いされ、警察から警告を受ける人もいます。その場合は、いろいろ主張したいことはあるとは思いますが、警告を素直に受け止め、その女性からはすんなり手を引くというのが肝要です。ストーカー行為をした者は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金(警告のもう一つ上の段階の禁止命令違反は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)に処するとされています。どんな人も、単なる恋愛感情のもつれがこのような痛い結果になることを認識しておいた方がよいですね。