一般に、日常普通の生活をしている人にとって、犯罪や刑事事件は遠いところの存在に感じるかもしれません。しかし、法律にしっかり関心を持っていないと、うっかり法に触れてしまうこともあり得ます。

 たとえば、このブログをご覧の皆様は、当然インターネットにアクセスし、当ウェブサイトにアクセスされているものと思われます。こうしたインターネットの利用行為の中には、注意を要するものが実はかなりあります。

 法改正時や施行時にはかなりマスコミ等でも報じられたために、覚えている方も多いと思われますが、平成24年10月1日から、著作権法改正によりいわゆる「ダウンロード違法化」(正確には刑事処罰の対象化)が行われました。

 具体的には、著作権法119条3項がこれについて定めています。

「第31条1項に定める私的使用の目的をもって、有償著作物等(録音され、または録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となっているものに限る)であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録画または録音を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害した者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」

 なかなか読みにくい条文で、簡単には理解できないのですが、ザックリいうと、違法にアップロードされた有償コンテンツを、それと知りながらダウンロードした者は罰する、という内容です。
なお、著作権法は、本来著作権(複製権)侵害となる行為でも、それが私的利用の目的で行われる複製であれば、民事的に違法ではないことを原則としています(30条1項、ただしこれには同条同項1号ないし3号の例外があることに注意)。
 しかし、ダウンロードについては私的利用目的でも刑事的に違法となることを定めているのが上の条文です。

 インターネットから不用意に音楽や動画をダウンロードすると、刑事的に処罰される可能性があることに注意しましょう。