刑事事件の被疑者・被告人となり、公判にかかり、有罪とされても、法律の要件を満たしたうえで諸般の事情を考慮し、社会生活を送りながらの更生が期待されるとみてもらえると、執行猶予が付くこととなります。この場合、とりあえずは刑務所に入ることなく、家に帰ることができます。

身柄が拘束されておらず、在宅で裁判を受けていた場合は、執行猶予付き判決が言い渡されるとそのまま帰宅することとなります。

一方、勾留されたままで裁判を受けた場合は、執行猶予付き判決を言い渡されてもその場で解放とはならず、所持品の返還などをするため一度勾留場所に戻され、その後釈放されることとなります。この時は、勾留場所から放り出される格好となり、特にどこかへ送ってもらえるといったことはありません。そのため、(事件現場の関係で遠方に勾留されていた場合は特にですが、)弁護人経由や接見などで家族にあらかじめ連絡をとっておき、帰宅費用を差し入れておいてもらうか、迎えに来てもらう方がよいでしょう。

執行猶予期間中に再度犯罪を行なうと、猶予が取り消しとなります。この時は、猶予を言い渡された時の件の刑と、その後にやらかした件の刑とを加算して刑務所に入ることとなり、服役期間が長いものとなります。猶予期間中は、特に、交通事故さえも起こさないよう、品行方正な暮らしが求められることとなります。(別に、猶予が明ければ荒い生活をしていいというわけではありませんが。)