初めまして、弁護士の坪井智之です。
 本日はいじめと犯罪と弁護士の関与というテーマでブログを書かせて頂きます。

 よく学校内での殴る蹴るや罵声や非難を行う行為をいじめという言葉を用いてニュース等で報道されます。
 しかし、報道等でいじめといわれるものは、十分に犯罪にあたるケースがあります。
 例えば、人を殴る蹴るする行為は、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)にあたります。また、人の物に落書きしたりすれば器物損壊罪(刑法261条)になりますし、暴行・脅迫を用いてお金を要求すれば恐喝罪(刑法249条)になります。さらに、無理やり何かをやらせたりする行為は強要罪(刑法223条)にあたることもあります。

 このように良く報道等でいじめという言葉として耳にする行為は、学校外で行えば立派な犯罪行為です。これを学校内で行った場合にはいじめという言葉でまとめています。学校の中で子供が行うから犯罪行為にあたらないというものではありません。
 もっとも、いじめの加害者は通常は未成年者ですから、原則的には、その処分は、少年法に基づく、少年審判手続きに進みます。
 少年審判手続きについては他の者がブログで書いているので参考にしてみてください。

 では、いじめが起こった場合私たち弁護士はどのようなことで関与できるでしょうか。

 弁護士はいじめの態様に応じたいろいろな対応方法をアドバイスします。
 例えば以下のようなこと行うことが考えられます。
 弁護士は、加害者や学校側が十分に対応してくれない場合であっても、被害者の立場に立ちながら、加害者や学校側との交渉を行います。弁護士が介入することで冷静な話し合いができ、問題が解決に向かうことがあります。
 また、弁護士会の人権擁護委員会への人権救済の申立てや裁判所への調停の申立て、場合によっては民事訴訟の提起等を行うことも考えられます。
 加えて、県の弁護士会によっては、子どもの権利専門窓口を設け、電話相談や面接相談を行っているところもあります。

 弁護士がいじめの問題に関与して円満解決を目指すことができる場合が多々あると思います。いじめ問題で悩んでいる方は、弁護士に相談することをご検討されてもよいのではないでしょうか。

弁護士 坪井 智之