1 改正の経緯

 近年、「厚労省元局長無罪事件」及びこれに関する大阪地検特捜部の証拠隠滅事件・犯人隠避事件の一連の事件を契機として、検察における捜査・公判活動のあり方(「取調べや供述調書に過度に依存した捜査・公判」)が問題とされ、そのような捜査・公判手法からの脱却を目指してきました。

 今回の改正では、①取調べの録音・録画制度の創設、②合意制度及び刑事免責制度の創設、③通信傍受法の見直し、④裁量保釈の判断に当たっての考慮事情の明確化、⑤弁護人による援助の充実化、⑥証拠開示制度の拡充、⑦証人等を保護するための措置の拡充、⑧その他の整備を内容としています。
今回は、①について書いていこうと思います。