昨今、インターネットの普及、特にスマートフォンの爆発的な普及によって、一般市民が自由に情報発信することが出来るようになってきています。ただ、その中には、興味本位にリンクを貼ったり、明らかに信憑性にかける情報をそのまま掲載するものも散見されます。刑事事件については、社会的関心事なので、やむを得ない面もあるのでしょうが、一旦インターネット上に掲載されてしまうと、完全に削除することはほぼ不可能になります。新聞報道などは、一定期間が過ぎれば記事の閲覧をできないようにするなどの配慮がされているものの、ミラーサイト等が作成されてしまうと、永遠に残り続ける結果となりかねません。刑事処罰が略式裁判による罰金などで済んでいたとしても、私的な社会的制裁がいつまでも継続することになってしまいます。

 昨年末、埼玉地方裁判所で、過去の逮捕に関する記事のグーグル検索結果について、削除申立てが認められましたが、ここまでの手続きを行ったとしてもミラーサイトなどが消えるわけではありませんし、話題が再燃し更に私的ブログなどへの掲載の恐れすらあります。

 軽犯罪法違反や迷惑防止条例違反といった比較的刑罰が軽い犯罪であっても、刑事罰以上の社会的制裁を受ける結果となっている方も多くおられます。勤め先や友人、親族などがなんとなく個人名を入れて検索するだけで遠い昔の逮捕報道などが明るみにでてしまい、就職・転職・結婚などに影響が出かねません。

 報道機関には、安易に個人名を載せての逮捕報道などは避けて頂きたいものですが、現実には、簡単に記事掲載されています。また、性犯罪関係では、常に記者や興味本位の傍聴人が来ています。
 比較的軽微な犯罪だからといって軽く考えないようにして下さい。