こんにちは、弁護士の坪井智之です。
 本日は、被告人の保釈請求についての概略を期日します。
 身柄拘束を解き、日常生活に戻ることは公判の準備だけでなく、被告人の精神状態を保つためにも非常に重要なことであるため、被告人が求める場合にはできる限り、請求し、保釈を求めていくことが弁護人として重要です。
 なお、保釈の請求は、起訴後すなわち被告人のみに認められるものであって、被疑者段階での保釈は認められない点に注意。被疑者段階は、勾留の却下を求めたり、勾留決定に対する準抗告を行うなどすべきである。

 保釈には、①権利保釈 ②裁量保釈 ③義務的保釈の3つが存在します。
 権利保釈とは、一定の事由がある場合を除いて、被告人に権利として保釈が認められるというものである。
 裁量保釈は、権利保釈の要件を満たさない場合であっても、裁判所の裁量によって保釈が許可されるというものである。
 義務的保釈は、不要に勾留が長引いたときに、請求または職権によって保釈されるものである。

 保釈が認められるためには、身元引受人の存在が必要不可欠であるため、事前に身元引受書は取得しておくことが大切である。
 次に、保釈金の準備が必要である。保釈金の相場は150万円前後であるが、被告人の資料等に応じて変動するため、必ずしも150万円準備できないことを理由に保釈請求を諦めるべきではない。また、日本保釈支援協会による立替の依頼を行うことも検討すべきである。なお、保釈金は、逃亡等を行わなければ、通常返却されるものであるため、一審で無罪や実刑等の言い渡しがあった後、没収されなかった保釈金は還付される。

 保釈が認められず、保釈不許可決定がなされた場合には、弁護人は、保釈却下決定に対する不服申立てを行うべきである。

 以上説明したのが保釈の概要です。弁護人は、なによりも迅速に保釈を請求し、被告人を自由にしてあげることが大切です。

弁護士 坪井 智之