「自首」は、報道等でよくお聞きになられることも多いと思いますが、今回は成立要件のうち、いくつか問題になる点について記事にしたいと思います。
自首は、刑法42条1項に「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは,その刑を減軽することができる。」と規定されており、自首とは、犯人及び犯罪事実が捜査機関に発覚する前に自発的に自己の犯罪事実を申告し、処分を求める意思表示をいいます。
「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実及び犯人が発覚する前をいいます。
ですので、犯罪事実は発覚しているが犯人が何人か不明な場合は「発覚する前」に該当しますが、犯人の所在だけが不明な場合は「発覚する前」には該当しません。
また、すすんで自発的に自己の犯罪事実を申告することが要件ですので、警察官の職務質問に対して、種々弁解した後に自供したような場合や捜査機関の取調べに対して受動的に自白することは自首にはあたりません。なお、自首を行う動機については、必ずしも反省によるものである必要はありません。
聞きなれた「自首」も解釈上問題となる点も多くあり(論点は上記の他にも多々あります)、裁判上争われることのも少なくありません。