弁護士会もこれを深刻な問題として受け止めているようです。弁護士会の委員会に出席すると、この話題がテーマになることもしばしばあります。
ボクの法律事務所では、毎年、司法修習生を採用しているんですが、採用活動をしていて感じることは、「修習生は本当に就職難なのか?」という疑問です。
ボクは、58期から修習生の採用を始めましたが、ひどかったのは64期でした(まともな64期の子もおります)。
64期の採用で失敗したのには、少し事情があります。
業務拡大により、追加で修習生を募集する必要性に迫られ、募集時期が例年よりもかなり遅れたんです。
現在は、修習修了間際でも200人くらいの修習生が就職先が決まっていないという実態があるそうです。
なので、募集時期が遅くなっても、かなり修習生からの問い合わせはあるのですが、実際に面接してみると、「さすがに、まだ就職先が決まっていないだけのことはあるなあ…」というのが、ボクらパートナー(共同経営者)の共通認識でした。
もしも本当に就職難であれば、「えっ?なんでこんないい子がまだ決まっていないんだろう?」とならなければおかしいと思います。
本来なら就職できて当たり前の修習生が就職できずに残っているのであれば、確かに”就職難”です。
でも、就職できずに残っている子に問題があれば、それは労働市場の需給問題ではなくて、その修習生自身の問題です。
64期の採用の際もパートナー間で「どうする?」と疑問を呈しながらも、弁護士が足りなくて採用に踏み切ってしまいました。もちろん、うちにいる64期全員がそうなのではありませんが、一部、問題のある修習生を雇ってしまったのです。結果的に、入所から1年をまたずに、こちらから”肩たたき”をすることになり、退職してもらいました。
結果的に、その退職してもらった弁護士何人かの担当事件をほかの弁護士が引き継ぐ羽目になり、うちのまともな勤務弁護士の子たちに多大な迷惑をかけてしまいました。
これは、”不本意な採用”をしてしまった経営者としてのボクの責任です。やはり、迷ったときは、採用しちゃいけないんですね。
なので、今回の採用活動の失敗からボクが学んだこと。
それは、採用活動は早めに開始することです。
65期の採用も早めに始めましたし、66期の採用活動も最近始まりました。履歴書が続々と送られてきます。
ただ、難しいのは、修習修了直前に内定を出した子でも、中にはまともな子がいる、ということです。実際、うちにも、そういう子でちゃんと真面目に仕事してくれている子がいます。
なので、「いつまでも就職先が決まっていない修習生はろくなのがいない」と決めつけられない点です。
但し、一般的傾向としては、採用活動が遅れれば遅れるほど、まともな子を見つけることが難しくなることも事実で、これも念頭に置いて採用活動を行わなければならない点です。
先日、司法試験の合格発表があり、66期の子たちから履歴書が送られてきています。
失敗しないように頑張りたいと思います。
法律事務所において、弁護士は最も重要な戦力ですからね。ここで失敗すると、法律事務所としての戦力も削がれますし、今いる若い弁護士の子たちにも迷惑をかけてしまいますから。