一方で、大阪地裁平成10年12月17日判決は、事故車両である貸切バスの所有者が遊休車を保有している場合であっても、当該事故車両とほぼ同格の遊休車が多数存在し、これを代替することが容易にできる等の特段の事情がある場合を除き、被害車両の所有者側に遊休車を利用してやりくりすべき義務を負わせるのは相当でないとして、休車損害を認めました。

 このように、裁判例の結論はまちまちですが、被害車両に代替しうる遊休車が存在する場合、原則として休車損害は認めらないが、例外的に、遊休車の代替利用が困難である等の特別の事情がある場合に限り、休車損害が認められるというのが、裁判所の基本的な立場ではないかと思われます。