こんにちは。前回前々回と続けて自動車保険(任意保険)のお話をさせていただきましたが、今日は弁護士費用特約についてお話させていただこうと思います。
1 利用率0.05%??
弁護士費用特約は日本弁護士連合会(日弁連)と損害保険会社が連携し、平成12年にスタートし、日弁連によりますと、12年度の契約件数は約7400件、その後、22年度は約1430万件になったそうです。特約の保険料は保険会社によって異なりますが年間2000円から3000円という魅力的な特約です。
契約件数が年々増加しているものの、実際にこの特約を使っている件数を見ると平成22年度でも約8200件であり、契約件数に占める利用件数の割合は、自動車保険の中でもかなり低い状況です。
日本ではまだまだ事件を弁護士に依頼するというハードルが高いのでしょうか?
2 弁護士費用特約の使い方
この特約はどんな場合に有用かといいますと、例えば停車中に追突された事故などご自身に過失がないにもかかわらず、相手方が損害賠償請求や示談交渉に応じてくれない場合があげられます。
ご自身に過失がない事故の場合、保険会社の示談代行サービスは利用できません。
「弁護士費用特約」を付保していれば、弁護士に依頼してご自身が相手方に交渉するのに代わって交渉をしてもらい、弁護士に支払う報酬等は保険で支払ってもらうことが可能になるのです。
もちろん、依頼する弁護士はご自分で選ぶことができます。交通事故の手続きは複雑ですので迅速適正な解決を目指すために、ぜひ交通事故案件に通じた弁護士に依頼してほしいと思います。
3 弁護士費用特約と保険料
万が一事故に遭ってしまった場合にこの特約を使って弁護士を依頼し弁護士費用を保険で賄ったとしても次年度の保険料は上がりません。
全3回にかけて、自動車保険を使っても保険料がUPしない場合についてお話してきました。
約款を見ると意外に知られていないことが書かれています。せっかくかけている保険なので一度約款に目を通して見られることをお勧めします。