交通事故紛争処理センターという機関があります。
 全国に9か所の支部ないし相談室を有する公益財団法人で、本部は東京にあります。このセンターを利用できる紛争は、基本的には自動車が絡む交通事故の紛争となっていますから、自転車事故は対象外ですね。交通事故に遭った際、加害者ないし保険会社と損害賠償の額でもめた時などには、利用を検討された方もおられるのではないでしょうか。

 交通事故紛争処理センターでは、センターに登録している弁護士が事故当事者双方の話を聞き、紛争解決に導いてくれます。では、私たち弁護士法人ALGのような街の弁護士に紛争解決を依頼する場合と、センターで登録弁護士に紛争解決を申し込む場合とで何が違うのでしょうか。

 色々と違いはあるのですが、違いの根本部分は、どういう立場で仕事をしているかにあると思います。紛争処理センターは、和解あっせん機関ですから、そこでの登録弁護士の仕事は、なるほどあなたの言い分はわかったけれども、それでは紛争が終わらないでしょう、ここらへんで折り合いをつけたらどうですかというのが中核です。立場としては中立ですから、被害者の味方でも加害者の味方でもないのです。

 一方、お客様が街の弁護士に依頼された場合、弁護士は依頼者の味方です。被害者に依頼されたら被害者の、加害者に依頼されたら加害者の味方です。それぞれの立場で自分の側が有利になることを100%主張しますし、主張を裏付ける資料にはどんなものが必要か、どうやって集めたらいいのか、どう主張するのが相手に対していちばん説得的かを考えます。もちろん、相手方からものすごくいい条件が示されたときには、依頼者の方にこれで折り合ってみませんかと言うこともありますし、依頼者の請求する金額に理由がないと考えれば、それは主張できませんとお断りすることもあります。しかしそれは、仕事の中核ではないのです。

 交通事故に遭われてから、さてこの損害についてそもそも誰と何を話し合えばいいのかわからないというときや、または話し合ってきたはいいが相手との紛争が揉めて厄介になってきたというような場合は、まずは街の弁護士にご相談ください。

 特に、私たち弁護士法人ALGには、交通事故紛争に詳しい弁護士も多く在籍していますので、ぜひご依頼いただければと思います。