こんにちは。
今回は、骨折の療養期間に関する研究についてご紹介いたします。
交通事故で骨折をされた方にとって、折れた骨がどれくらいの期間で癒合するか、どれくらいの期間を療養に費やすべきかという問題は、損害賠償との関係において治療費や休業損害の支払いの範囲とも絡む重要な問題となります。
この療養期間について、平成15年度に日本整形外科学会より興味深い研究報告がなされています。
その研究報告は、「骨折の療養に要する期間に関する研究」と題する報告で、骨折部位別に骨癒合期間、復職期間、療養期間の平均値がまとめられているものです。
その研究報告によると、「長幹骨骨幹」および「大腿骨」の骨折の骨癒合期間は約4~6ヵ月、「長幹骨骨端、骨幹端」の骨折の骨癒合期間は約3ヵ月、「手、足」の骨折の骨癒合期間は約2か月とされておりました。 また、療養期間については、「上肢」の骨折に比べて、「下肢」の骨折の方が長い期間が必要となり、療養期間と同様に復職までに要する期間についても「上肢」の骨折よりも「下肢」の骨折の方が長い期間を要するとされておりました。
今回は、ある研究報告の概要をご紹介するにとどまりましたが、交通事故の被害に遭われた方の利益を最大限確保するために、難解な医学論文を調査することも弁護士の仕事の一つとなっております。
少しでも、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
弁護士 古関俊祐