こんにちは。
今回は、事故によって着衣や身に着けていた携行品が使用できなくなってしまった場合の賠償についてお話します。
一般的に、事故によって携行品が壊れて使いものにならなくなってしまった場合は、この携行品に関する損害も物損の一内容として損害に含まれます。
保険会社に損害として届け出る際には、携行品の写真の提出と共に、メーカー名等のその携行品に関する情報、その携行品を購入した年月日、購入時の値段等を聞かれることが多いので、適切な賠償を受けるためにも、しっかりと把握できるようにしておくことをおすすめします。
携行品に関する損害について保険会社との交渉の際に問題となることは、この携行品の賠償額をいくらと認定されるかという点です。
携行品に関する損害については、購入時の値段の全額の支払いを受けられるものではなく、あくまでも事故時の時価額の賠償が受けられるに過ぎません。
そして、その時価額は、購入時の値段から、購入から事故までの期間に応じた減価償却をされた金額を基に算定することになります。
減価償却にあたっては、個々の携行品の耐用年数を設定した上で定額法により計算をする保険会社が多いと見受けられます。
しかし、個々の携行品の耐用年数については、保険会社ごとにまちまちであるばかりでなく、明確な基準が設定されておらず、事案ごと担当者ごとに判断しているケースもありました。
そのため、携行品に関する損害について、交渉次第で若干の金額の変動は期待できます。
携行品に関する損害は、車両損害や代車費用等の他の損害項目と比べると、高額な賠償が期待できる損害項目ではありませんが、適正な価格になっているかの確認を怠らないように注意する必要があります。
弁護士 古関俊祐