1 はじめに

 交通事故に遭い、首や腰の強い痛みに悩まされている方も多いと思います。
 これは、いわゆる「むち打ち」の症状だと思われますが、むち打ちの症状は、慢性的な痛みになりやすく、事故から半年間も通院しても、完全には痛みが引かないケースが多いという印象です。
 また、首や腰の慢性的な痛みは、仕事や日常生活においても常に伴うものであるため、精神的に多大な苦痛を被るところです。
 むち打ち症による痛みを軽減させるためには、しっかりと整形外科等に通院し、リハビリ等の施術を受けることが重要となってきます。

 以上のような、むち打ち症の慢性的な痛みに伴う精神的苦痛や通院の負担については、最終的には、傷害慰謝料(以下、単に「慰謝料」といいます。)という形で、金銭的に賠償してもらうことになると思われます。

 しかし、むち打ち症により半年間も通院したけれど、たとえば週に1回程度(月に5回程度、半年で30回程度)しか通院できなかったため、「通院頻度が低い」ことを理由に、慰謝料は50万円程度だとされてしまうケースがあります。

 なぜ、通院頻度が低いと、慰謝料が下がってしまうのでしょうか。