賠償の手続き
積載物が破損していた場合、まずは相手方損害保険会社にその旨を伝えます。すんなり賠償に応じてもらえるかはわかりませんが、伝えないことには絶対に支払われないので、まずは伝えることがスタートになります。
伝えると、相手方損害保険会社から、所定の用紙が送られてきます。この用紙に、損害物品、購入時期、購入場所や店舗、購入金額や修理金額等を記載し、また、購入時の領収書や損傷した物品の写真を添付して送ります。
賠償について争われなければ、原則として、修理費用相当額(修理の場合)や、購入時の価格から年数に応じて減価償却した額等(買替の場合)が支払われます。
もっとも、以下のように、賠償について何らかの争点がある場合があり、注意が必要です。賠償金額が高額な場合、特に争いになりやすいようです。
争点①~事故により破損したかどうか~
①事故時に、車両に積載物が載っていたかどうかが争われることや、②事故により壊れたのか(事故とは関係なく壊れたのではないか)が争われることがあります。
いずれについても、事故直後に証拠保全をしておかないと、後々争いになりかねないところです。事故後、直ちに積載物に損傷がないかの確認を行うことが重要です。
事故により破損したことについての立証責任は賠償請求をする側にありますので、事故から時間が経つほど、不利になってしまいます。
争点②~法的因果関係~
事故により破損したことが確認できたとしても、法的に、「相当因果関係がない」として、賠償責任を争われることがあります。積載物が高価品である場合などは、「加害者が、高価品が積載されていたことを知り得なかったので、相当因果関係がない」などと主張され、賠償の対象から外される可能性があります。
最後に
事故直後は、色々と慌ただしく、また、お怪我をされて積載物どころではないこともあるでしょう。そうこうしているうちに、積載物の故障に気付いたけれども、相手方損害保険会社が賠償に応じてくれない、などということもあるかと思います。
そのような場合、ぜひ弁護士までご相談ください。