1 はじめに
こんにちは、弁護士の辻です。
交通事故によって、不幸にも亡くなられた場合、葬儀費用がかかることになります。
かつては、死者を悼み弔うものが、自らは費用を負担せずに加害者に経済的負担をさせるのは、弔いの趣旨に反するのではないかといった意見から、賠償の対象にすること自体に議論がありましたが、現在では、このような葬儀費用も、加害者に対して損害賠償請求することができるとされています。
今日は、葬儀費用の賠償について、簡単にご説明したいと思います。
2 誰の損害なのか
法律的には、葬儀費用を支出した親族になります。
ただ、死者の預金や手持ち現金等の遺産から支出されることもありますので、実際に葬儀費用を支出したのが誰なのか、あいまいなことも多いです。
そのため、相続人の間で利害対立がなければ、死者に生じた損害として計上されることもあります。