1.はじめに

 こんにちは、弁護士の辻です。
 追突された場合、基本的には、追突してきた側の一方的過失により発生した事故として扱われます。いわゆる10:0の事故です。
しかし、追突された側に過失が付く場合もあります。今回は、追突された側にも過失があるとされる場合をご紹介します。

2.道路交通法24条違反

第二十四条  車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。

 道路交通法には、このような条文があり、運転者に対し、例外的な場合を除き、急にブレーキを踏んではいけないと命じています。
 そのため、危険を防止するためにやむを得ない場合を除き、急ブレーキを踏んだ場合には、追突された側にも、3割の過失が付けられます(もちろん、基本過失なので、具体的事情により加算、減算修正があります。)。

 ちなみに、危険を防止するためにやむを得ない場合の具体例としては、「走行している車両の直前に歩行者が飛び出してきたとか左則端を通行していた自転車が走行している車両の直前に急に右折をはじめ入って来たとかいうような場合又は道路の損壊や道路上の障害物をその直前で発見した場合等で、目前の危険を防止するためやむを得ない場合」があげられています(道路交通執務研究会編著 野下文生原著 「16-2訂版 執務資料 道路交通法解説」(東京法令出版)230頁)。

3.終わりに

 以上のように、追突されたら必ず10:0になるわけではありません。同じように、急ブレーキを踏んだために追突されたからと言って、必ず過失が付くわけでもありません。
 過失割合でお悩みの方は是非弊所にご相談ください。