今回のブログは、自動車の任意保険契約における等級別料率制度について取り上げます。

 一般の任意自動車保険契約においては等級別料率制度という保険料の割増・割引制度が採用されています。

 この制度は、事故を起こしやすい者には高い保険料率を課し、事故を起こしにくい者には低い保険料率を課す制度です。

 例えば、日本興亜損保個人専用自動車保険カーBOXでは、1等級から20等級までの等級区分があり、1級は保険料割増率52%、20級が割引率63%となっており、新規契約の場合6等級に位置付けられ、1年間無事故の場合は次回の契約で等級が1等級上がり、保険金を支払う事故があった場合は次回の契約で3等級下がります。

 したがって、事故を起こして保険を使うと原則として次回の契約から保険料が上がることになり、無事故で1年間が過ぎると保険料が下がることになります。

 この制度と仕組みをご存じな方からは、弁護士費用特約を利用して弁護士費用について保険金を受け取ると保険料が上がるのではないかと質問されることがあります。

 結論から申しますと、弁護士費用特約を利用しても保険料は上がりません。なぜなら、弁護士費用特約は事故件数に数えない事故(ノーカウント事故)と定められているからです。ノーカウント事故には、無保険車傷害保険や搭乗者保険等様々なものがあります(詳細はご契約中の保険契約の約款・重要事項説明書等をご覧ください)。

 交通事故を起こしたが軽微な損害なので保険料の増加を避けて保険金を請求しないという方はいらっしゃいますが、保険金の請求を止める前にその保険金の支払いを受けることが等級別料率制度における事故としてカウントされるものであるか否かを確認されることをお勧めします。