皆さんこんにちは。
今回は、交通事故と健康保険についてみてみたいと思います。
交通事故の場合に健康保険が利用できない等言われることがあります。また、病院側などから交通事故による負傷治療について健康保険を利用しないように誘導される場合もあるように思われます。
しかし、健康保険は、労働者が業務外の事由により負傷等した場合及び労働者の被扶養者が負傷した場合に所定の保険給付を行う制度であり、交通事故の場合でも健康保険を利用して自己の負担部分だけでの治療を受けることができます。
ただし、業務上の人損については、労災保険の対象となるため、一般には業務外の人損が対象となります。
特に被害者の過失割合が大きい場合や加害者が任意保険に加入しておらず自賠責保険による支払しか受けられない場合などには健康保険の利用を考慮してよいと思われます。
この健康保険の保険給付を先行した場合には、その保険給付の価額の限度で第三者に対する損害賠償の請求権または自賠責保険の保険会社に対する損害賠償額の支払請求権を保険者が取得します(保険57条1項)。
交通事故の場合に健康保険を利用する場合、①健康保険を利用して治療を受けることを希望し、②所轄の全国健康保険協会の都道府県支部長(健康保険組合に加入している場合は同組合)に第三者の行為による傷病届を提出する必要があります。
第三者の行為による傷病届の書式は、最寄りの全国健康保険協会の都道府県支部等で入手可能です。