相続と、生命保険は切っても切り離せない状況にあります。
生命保険は、相続対策に非常に有用な道具になります。
そこで、相続対策における、生命保険の活用法等について、お話しします。

生命保険の特徴は、生命保険金の受取人を指定できることにあります。
この特徴により、判例では、死亡保険金は、保険契約の効力発生と同時に指定された者の固有の財産となるとされています。
つまり、受取人が指定されている生命保険の生命保険金は、亡くなられた方の遺産ではなく、指定を受けた者の固有の財産であるということです。

このような特徴があるため、生命保険を活用すると、相続に関する法律が原則として及ばなくなるため、多くのメリットがあります。

今回は初回なので、その中でも、私がもっとも特殊なものではないかと思っている、生命保険と相続放棄の関係についてお話しします。

被相続人に生命保険があり、その他資産はなく、借金があるもしくは連帯保証人になっているという方がいらっしゃるとおもいます。
例えば、妻に生命保険をかけており(受取人は夫を指定))、妻名義のみるべき資産はないけれども、妻が友人等の連帯保証人になってしまった場合です。
妻が亡くなり相続をしてしまった場合、相続人は連帯保証人の地位まで承継してしまうため、将来多額の債務を負ってしまう危険があります。

その危険を回避するために、相続放棄をする必要がありますが、相続放棄すると、生命保険金は受け取れないのでしょうか?

答えは、たとえ相続放棄をしたとしても、生命保険金を受取人は受け取ることが可能です。
これは、先ほど説明した通り、生命保険は、相続財産ではなく、指定を受けた受取人の固有の財産となるからです。
そのため、被相続人が相続放棄をしても、生命保険金が受取人の固有の財産であることに変わりなく、相続放棄の対象にはなりません。
よって、この場合に相続放棄すれば、連帯保証人としての債務のみを放棄し夫は生命保険金を受け取ることが可能です。

被相続人が多額の連帯保証人になっている場合や多額の借金がある場合には、相続放棄や、相続放棄のための3か月の熟慮期間の伸長の申請を検討しなければなりません。
通常、被相続人の遺産を使い込んでしまった場合には、相続放棄できませんが、生命保険を受け取ったというだけでは、相続放棄することは可能です。

相続放棄をするか否かの検討は相続問題の中で極めて重要な問題です。
みなさん生命保険金を受け取っていたとしても、遠慮せずに弁護士にご相談ください。