1.はじめに

 こんにちは。横浜支部の所属弁護士の森です。
 私は、横浜支部の開設に伴い、横浜に引っ越してきたのですが、横浜は観光地がたくさんあって素敵なところですね。つい先日も横浜の八景島シーパラダイスに行ってきたのですが、その途中で、とても立派な老人介護施設をみかけました。また、先日テレビで入所料が1億円なんていう超高級老人福祉施設の特集も見ました。こういうところへ入居される方の中には、御子息が入居費用を支出している人もいるんだろうなあ等と考えたりしました。

 では、例えば、御子息にこのような支出がある場合、これって相続の場合に考慮されるのでしょうか。他にも、よくあるご相談として、「他の兄弟と違って親の介護を引き受けていたのだから、相続分を多く欲しい」というものがあります。今回は、このような労力が相続において法律上どのように考慮されるかについてお話したいと思います。

2.寄与分について

 このお話をするにあたって、前提として御理解頂きたい制度として、「寄与分」(民法904条の2)というものがあります。寄与分というのは、共同相続人中に「被相続人の財産の維持または増加」について「特別の寄与」をした者がいる場合に、その寄与を評価し、この者に特別に与えられる金額または遺産総額に関する割合のことです。

 ざっくり言ってしまうと、相続というのは、死亡した人(被相続人といいます)の有していた財産(遺産といいます)をその子などの相続人で分配する制度なわけですが、寄与分がある場合、その分を遺産から控除した上で、寄与をした者に専ら分配することになります。

3.通常期待される程度を超えるものでなければダメ

 この「特別の寄与」があったと認められるには、先ほどのような例との関係では、被相続人との身分関係において通常期待される程度を超える寄与が必要という点が重要となります。

 これは、親族間においては、夫婦間の協力扶助義務(民法752条)や直系血族・兄弟姉妹間の扶養義務(民法877条1項)といった法律上の生活保持義務や扶助義務があるために、この義務の範囲内とされる介護等のための支出・労力については、「特別の」ものとは認められないからです。

4.まとめ

 この「特別の」に該当するかどうかは、自己の生活水準を超える支出・労力を費やしていたかどうかが大きな目安になるかと思われますが、実際にはケースバイケースです(冒頭の超高級老人福祉施設の入所料の支出であれば「特別の」ものとなりやすいでしょうが)。

 複雑な判断を伴いますので、ご自身で判断なさらずに早い段階で専門家に相談されることをお勧めいたします(ご自身で誤った評価をして強気で他の親族と交渉した結果、紛争が悪化してしまったケースをよく見かけます)。  当事務所には、相続に関する問題を多数扱っている弁護士がおりますので、お気軽にご相談下さい。
 当事務所の横浜支部は、横浜駅きた東口Aから徒歩7分のところにあります。横浜支部までの道順が分からない場合ご案内致しますので、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

弁護士 森 惇一