① 特別受益に当たらないと判断されたもの

 上記最高裁の判例では、相続財産の総額が約5250万円、保険金合計が約790万円で、最高裁は、保険金は特別受益に当たらないと判断ました。
 他の審判例で、相続財産総額が約7000万円、保険金が約430万円の場合に、保険金が全体の約6%余りに過ぎないとして、特別受益に当たらないと判断しました(大阪家裁堺支部平成18年3月22日)。

② 特別受益に当たると判断されたもの

 相続財産の総額と、保険金の額がほぼ同等の場合に、特別受益に当たると判断されました(東京高決平成17年10月27日)。  相続財産総額が約8423万円、保険金の額が5154万円のケースでは、特別受益に当たると判断されました(名古屋高決平成18年3月27日)。

 いずれの判例も、保険金が遺産相続を占める割合を計算したうえ、特別受益に当たるかどうかを判断しています。
 生命保険を含め、特別受益該当性の判断はなかなか難しいものがあります。疑問に思った方は、専門家に相談することをお勧めします。