生命保険金として数千万のお金が一人の相続人だけ手に入れるとなると、一人の相続人だけ多額のお金を手にするということで、生命保険金が特別受益に当たるのではないか、という問題が発生することがあります。

 生命保険金が特別受益に当たるかどうかについては、最高裁の判例があります(平成16年10月29日決定)。
 そこでは、原則として特別受益には当たらないとしつつも、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間との間に生ずる不公平が特別受益の制度趣旨に照らし到底是認できない程に著しいと評価できる特別な事情がある場合には、例外的に、特別受益に準じて扱うのが相当、とされました。
 以下、「特別な事情」が何なのかを検討するため、特別受益について判断した判例を見ていきます。