専業主婦の方は、離婚したくても離婚後の生活が心配で、離婚を決断できないことが多いのではないでしょうか。

　確かに、離婚後は、お互い扶養義務がなくなるため、生活費をもらうことはできず、子どもを引き取ったほうが、養育費をもらえるに過ぎませんので、専業主婦だった奥さんは、離婚後は自分で生活費を稼がないとなりません。また、財産分与するほどの財産がない場合には、無一文で離婚しなければならなくなってしまいます。

　そうすると、専業主婦の方は、夫とこれ以上、結婚生活を続けていきたくなくても、我慢して結婚生活を続けていかなくてはなりません。でも、どうしても夫と結婚生活を続けることに我慢できない場合はどうしたらいいのでしょうか。

　私は、思い切って離婚調停を申し立てたり、弁護士に離婚の交渉を依頼してみるのがいいと思います。なぜかというと、今まで私が担当した専業主婦の方の離婚事件では、専業主婦の奥さんの離婚後の生活を考慮して、旦那さんから一定額のまとまったお金が支払われることが多かったからです（財産分与がある場合は、財産分与の金額に上乗せして）。

　金額としては、数十万から数百万と幅はありますが、全く無一文で離婚しなければならないことは、あまりないのではないかと思います。中には、お互いに全然貯金がない状態で離婚することになったケースでも、旦那さんが親からお金を借りて、奥さんにまとまったお金を渡したということもありました。

　何事も、無理な我慢はよくないと思いますので、離婚しようか迷っている専業主婦の方も、思い切って、行動を起こしてみるほうがいいと思います。そうすれば、新たな人生が開けるのではないでしょうか。

弁護士　竹若暢彦