こんにちは。雨が降ったりなんだか微妙な気分ですね。
さて、本日は、尋問の手続きについての雑感をお話ししようと思います。

皆さんが「訴訟」ときいてまず思い浮かべるのは、テレビドラマなどでみる法廷の場面ではないかと思います。ただ、実際には、訴訟の手続きの大半は、「弁論準備手続」という、法廷外の非公開の部屋で行う手続きで占められます。テレビドラマなどで見るのは、たいてい、その後の最終段階の「尋問」という手続の場面でしょうね。
尋問というのは、供述と言う形での証拠を採る手続きです。
手順はたいてい、原告、被告の順で、それぞれ主尋問(自分の代理人からの質問)と反対尋問(相手方の代理人からの質問)と裁判官からの質問があります。
尋問の対象者は、当事者と証人です。多くの場合、当事者のみで、証人も尋問することは比較的少ないです。
代理人として尋問において難しいと感じるのは、反対尋問です。相手方ですから、当然、こちらに不利な供述をすることが予想されますし、事実関係を詳細に述べて「●●だったんですよね」などと尋ねると「いいえ」の一言で切り捨てられてしまう可能性があるからです。
ストレートに聞きすぎるとこのように一言で切り捨てられるからといって、外堀から徐々に埋めようとすると、かえって争点とのかかわりがわかりづらくなってしまい、「関係ない質問」と異議を差し挟まれることになってしまいます。

また、交通事故の場合などは通りすがりの人が証人になったりしますから、どちらの当事者にも寄らない中立の立場での証言になるがゆえに、どっちに転ぶかわからないということで、双方当事者とも緊張を強いられます。しかもあまりしつこく尋ねると、証人としては、「せっかく協力してるのに、なんか面倒なことになっちゃったな。」と不快感を抱きかねません。
テレビドラマなどでは、反対尋問で相手方や証人を追い詰める弁護士などが出てきますが、あそこまでうまく相手方がぼろを出してくれる尋問は、現実にはなかなかありません。
その場その場が勝負です。