本日は、部屋の賃貸借契約等でよく見かける、「連帯保証人」とは何か?についてご説明いたします。ここでは、内容を想像していただきやすくするため、例として、建物の賃貸借契約における連帯保証人を挙げます。

1 「保証人」と「連帯保証人」の違い

⑴ 「保証人」とは

 まず、「保証人」とは、「主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任」を負う人をいいます(民法第446条第1項)。
 つまり、「連帯」ではない「保証人」の場合、まず借主が家賃を支払う義務を負うのであって、保証人は、借主が家賃を支払うことができない場合に初めて支払う義務を負うこととなります。

⑵ 保証人というと、連帯保証人という場合が多い

 現在、日本で保証人というと、圧倒的に「連帯保証人」をいいます。「連帯保証人」は、債権者(貸主)にとって、大きく分けて①まず主債務者に請求する必要がない、②連帯保証人が複数存する場合にはすべての連帯保証人に債権額全額を請求できる、というメリットがあるためです。以下で、それぞれ説明いたします。

⑶ 「連帯保証人」とは

 「連帯保証人」とは、「保証人」のうち、「主たる債務者と連帯して債務を負担した」人をいいます(民法第454条第1項)。
 すなわち、「連帯保証人」とは、主たる債務者が「その債務を履行」しなくても、債務の履行を行う義務を負うこととなります。
 つまり、家の貸主は、借主が家賃を支払えるかどうかにかかわらず、すぐに連帯保証人に、「家賃を払え」と請求することができるのです。

⑷ 「保証人」と「連帯保証人」の支払い義務について

 単なる保証人の場合、保証人が複数いれば、原則として保証人は、債務額を保証人の人数で案分した範囲でのみ支払えばよいこととなります。例えば、家賃が月6万円、保証人の数が3人だった場合、保証人は1人あたり2万円支払えばよいこととなります。

 しかしながら、連帯保証人の場合、連帯保証人は債務額全額を支払う必要があります。例えば、上記と同じ例でいうと、連帯保証人は6万円全額を支払う必要があります。連帯保証人は6万円全額を貸主に支払う必要があることとなります。

 以上のように、「連帯保証人」になった場合には、第1順位の支払義務が発生すること、債務額全額を支払う必要があること、という重い責任が発生することとなります。

2 保証人になるには、書面での契約が必要!

 保証契約の効力が発生するためには、書面で行う必要があります。
通常、皆さんが物を購入してお金を支払う際にわざわざスーパーで「購入します」という紙を作成することはありません。それとは異なり、「保証します」という契約書を作成しなければ、保証人としての責任は負いません。

3 連帯保証人に関するお悩みは弁護士にご相談ください

 連帯保証人は上記のように、重い責任が生じるものであり、連帯保証人になることを依頼された場合、慎重に検討する必要があります。そのため、連帯保証人になるか否かを検討する際には、弁護士に一度ご相談ください。